「画像処理一般」の版間の差分
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ノイズが非常に多い画像を取り扱うためには、ノイズの性質をよく知ることが重要です。 | ノイズが非常に多い画像を取り扱うためには、ノイズの性質をよく知ることが重要です。 | ||
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+ | 繰り返し周期がある画像などでは有効な画像手法です。 | ||
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+ | == 実空間の[[カーネル]]を用いた画像処理 == | ||
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+ | == [[マスマティカル・モルフォロジー]]を使った画像処理 == | ||
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+ | == [[画像の平均化]] == | ||
+ | 同一視野や同一粒子の画像がたくさんある場合には、画像の平均化を行うことで画像の質を上げることができます. |
2014年10月2日 (木) 01:54時点における最新版
画像処理一般では、一般的な画像処理方法の基礎について、Eosを使って例示しながら解説します。
目次
画像処理基礎と簡単な画像処理
Eosを使った簡単な画像処理に関するチュートリアルが掲載されています。
画像の入力とレンズ
コンピュータを使って画像処理を行う前に、画像がデジタル化される入力装置のことを気にしておく必要があります。その際、実物から発した光を集光して像をつくり出す、レンズという光学素子を理解しておくことが重要です。
CTF,PSFとMTF
真に得たい画像をf(x,y)で表現した場合に、画像の入力方法やレンズの性能などによりどうしても画像が劣化します。このとき、全空間に一様なボケ(劣化)が生じる場合があります。このとき、本来一点であるはずの画像の劣化する関数を点拡がり関数PSF(Point Spread Function)と呼びます。この点拡がり関数PSF(x, y)が分かると、真の画像f(x, y)にPSF(x, y)を畳み込みこんだ画像が観測画像g(x, y)となります。
標本化
アナログ画像をデジタル画像にするためには、空間を刻み、離散化することが重要です。このステップを標本化といいます。これに失敗すると、偽解像などの間違った画像を解釈する可能性があるので、注意が必要です。
量子化
デジタル画像処理では、アナログである濃度値(光学密度)をあるビット数内で表現する量子化(AD変換)という操作が最初に必要です。ここで失った情報を取り戻す事は出来ません。
ノイズ除去
ノイズが非常に多い画像を取り扱うためには、ノイズの性質をよく知ることが重要です。 電子顕微鏡関係のノイズとしては、下記に挙げるいくつかが想定されます。
- 電子線量が少ないことから来る量子ノイズ:白色雑音(全域)
- 電子のエネルギー損失と色収差からくる低分解能側に多く存在するノイズ:有色雑音(全域)
- カメラのCCDや蛍光板、フィルムへの放射線、あるいは、ゴミなどによるノイズ:局所雑音
などが挙げられます。
量子ノイズは、白色雑音の一種であり、ポアソン過程に従ったノイズ分布をする場合が多いことが知られています。
非弾性散乱電子と色収差によるノイズは、ぼけを伴い、低周波側に多く存在します。したがって、有色雑音となります。
カメラのCCDや蛍光板、フィルムへの放射線、あるいは、ゴミなどによる雑音は、局所雑音となる例です。宇宙線や蛍光板内の崩壊に起因する放射線によるものは、非常に高い輝度のピクセルを与えます。CCD等のMTFのために、一点とはならず、ぼけを生じます。
平滑化
画像のもつノイズを取り除くことを主たる目的として実施する画像処理方法です。ノイズの性質をよく理解することで、適切なノイズ除去が可能になります。
エッジ検出
対象物の形を理解するために重要なステップですが、とても難しいステップでもあります。
2値画像処理
シグナルと背景の切り分けや、代表点や骨格の抽出など、画像処理や解析のスタートとなる処理方法です。
フーリエ空間を利用した画像処理
繰り返し周期がある画像などでは有効な画像手法です。
実空間のカーネルを用いた画像処理
マスマティカル・モルフォロジーを使った画像処理
画像の平均化
同一視野や同一粒子の画像がたくさんある場合には、画像の平均化を行うことで画像の質を上げることができます.