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2017年2月24日 (金) 09:16時点における版
ここでは、RELION2が要求するハードウェアについて、新たに計算機を準備される方に向けての構成などを紹介します。GeForce搭載のマシンには、ラックマウント型のマシンやデスクトップ構成などがありますが、主にラボの片隅に置くデスクトップ型を主に解説します。ここで紹介している部品の構成は、2017年2月現在の情報です。情報が古くなっている場合がありますので、個々人でキャッチアップをお願いします。
CPU
RELION2.0をCPUで処理する場合、莫大なコア数を必要とします。開発元の研究室では、100-200コアのクラスタをおすすめしています。スーパーコンピュータやクラスタシステムへアクセスできる方は、システムの管理者と相談の上、利用すると良いでしょう。
GPUでの処理を行う方は、大量のコアは必要ありません。コンシューマ向けのハイスペックCPUがおすすめです。具体的には、Core i7 7700K/5960Xあたりで良いでしょう。もちろん,Xeonシリーズを利用しても良いですが、メモリがECC対応にする必要があるなど、周辺部品の価格も上がってしまうため、全体としての価格が高くなります。
メモリ
RELION2.0は非常にメモリ容量を必要とします。最低64GB(16GBx4/8GBx8など)をおすすめします。近年メモリの大容量化と低価格化により、ECC非対応のモデルであればかなり安価に入手することが可能です。
グラフィクスボード
RELION2.0を動かす上で,肝となるパーツの一つです。最も投資すべきパーツです。おすすめのモデルは、Nvidia GeForce 1080またはNvidia GeForce 1070です。予算に余裕がある場合は、これらGPUを複数枚搭載したマルチGPU構成にすると良いでしょう。GeForce 1080のさらに上位モデルとして、Nvidia TITAN Xというモデルがありますが、コストパフォーマンスの問題からおすすめしません。マルチGPU構成にする場合は、必ず同じメーカ・モデルのものを複数枚搭載するようにしてください。搭載枚数は、2枚から4枚が適切です。異機種混合の環境は、トラブルの原因となる場合があります。また、複数枚を活用した方法として、SLI技術があります。こちらは、ゲームやフレームレンダリングのみ効果がありますので、マルチGPUコンピューティングでは効果がないのでご注意ください。
GPUコンピューティングでよく用いられるボードとしてTeslaシリーズがありますが、RELION2.0ではコンシューマ向けのGeForceシリーズで十分な性能・精度が出るように開発されています。Teslaは非常に高価なモデルであるため、よっぽど予算がある場合を除いて、Teslaを買うよりもGeForce 1080を複数枚搭載したマシンを用意したほうが良いでしょう。
グラフィクスボードのメーカーサイトを覗いてみると、同じGTX1080でも、複数のモデルがリリースされています。これは、メーカがそれぞれ工夫をこらしたモデルとなっています。静音重視であったり、性能重視であったり。。。もし、デスクトップマシンへ一枚刺し以上の構成をお考えの方は、Reference Modelまたは、Founder's Editionをおすすめします。これは、複数枚搭載するとグラフィクスボードの設置密度が高くなり、縦型吸気のコンシューマモデルでは排熱に問題が生じる可能性があるためです。
既存のグラフィクスボードを活用したい方もいらっしゃるかもしれません。その場合、お手元のグラフィクスボードがRELION2.0へ対応しているかどうかを確認してください。RELION2.0では、CUDAのComputer Capabilityが3.0以上のモデルが対応しています。それより古いモデルは非対応ですので、ご注意ください。モデル名とComputer Capabiliryの対応は、https://en.wikipedia.org/wiki/CUDA#GPUs_supported より確認できます。当研究室の環境で確認したところ、Computer Capabilityは3.5以上のものでなければ、エラーが出て計算ができませんでした。ご注意ください。
ストレージ
RELION2.0において,ストレージは重要なパーツの一つです。データ保存は、低速・大容量なハードディスクで良いのですが、RELION2.0は任意のストレージ上をscratch directoryとして,指定することで高速な演算が可能です。このscratch directoryとしては、SSDのRAID0(ストライピング)構成がおすすめです。256GBのSSDを2台搭載すると良いでしょう。また、近年M.2ストレージと呼ばれるPCIへ直接接続できるストレージがあり、こちらはSSDより更に高速な読み書きが可能であり,RELION2.0のscratch directoryに最適です。ただし、M.2ストレージはPCIへ直接接続するため、GPUx4構成の場合は、グラフィクスボードへ割り当てられるデータ転送の枠を圧迫することがあります。そのため、M.2を使う場合は、GPUx2構成までにしたほうが良いです。
電源
グラフィクスボードは、かなりの電源容量を必要としますが、Pascal世代になり、省エネになってきたので、GTX1080一枚構成の場合であれば,750Wもあれば十分です。しかし,将来二枚構成を考えている方や、二枚構成にしている方は、1000Wを搭載したほうが安心です。四枚構成をお考えの方は,1500Wほどあれば良いです。
構成例
当研究室で使用しているRELION2.0マシンの構成例を紹介します。
CPU | Intel(R) Core(TM) i7-5930K CPU @ 3.50GHz |
メモリ | DDR4 8GBx8 = 64GB |
グラフィクスボード | ELSA GeForce GTX 1080 8GB GLADIAC 二枚構成 |
ストレージ1 | Western Digital 1TB 7,200rpm(データ保存・OS用) |
ストレージ2 | SAMSUNG XP941 M.2 SSD 512GB(scratch用) |
電源 | Corsair RM1000x - 1000W |
OS | CentOS 7.3 x86_64 |
CUDA | CUDA 8.0 |
最近は、ディープラーニングの流行りにより、GPU搭載マシンをディープラーニング用マシンとして各社カスタマイズして販売しているものがあります。購入をご検討の方は、一度大学生協や、出入りしている業者の方へ見積もり依頼をすると良いと思います。価格を重視したいという方は、ディープラーニング専用機はやや割高なので、コンシューマ用のパソコンが得意な業者さんへ、このページの要件を満たすようにゲーミング用PCをカスタマイズして貰えば比較的安く収まると思います。