「Gctf」の版間の差分

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(インストール)
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== インストール ==
 
== インストール ==
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2019年5月17日、Ubuntu 16.04.6 LTS
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* https://www.mrc-lmb.cam.ac.uk/kzhang/
 
* https://www.mrc-lmb.cam.ac.uk/kzhang/
** Gctfのビルド済みバイナリがダウンロードできます。
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** Gctfのビルド済みバイナリがダウンロードできる。
** Gctf_v1.18はphase plate用と書いてありますが普通の画像にも使えます。
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** Gctf_v1.18はphase plate用と書いてありますが普通の画像にも使える。
  
 
* 理由はよくわかりませんがソースコードがネット上に見当たりません。公開されていないかもしれません。
 
* 理由はよくわかりませんがソースコードがネット上に見当たりません。公開されていないかもしれません。
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Gctf_v1.18のリンクをクリックするとIndex of /kzhang/Gctf/Gctf_v1.18_b2というタイトルのページに飛びます。そこにbin/とlib/というディレクトリへのリンクがあり、中身はそれぞれ各computing capability(sm)とCUDAバージョン(cu)用のビルド済みバイナリです。
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Gctf_v1.18のリンクをクリックするとIndex of /kzhang/Gctf/Gctf_v1.18_b2というタイトルのページに飛ぶ。そこにbin/とlib/というディレクトリへのリンクがあり、中身はそれぞれ各computing capability(sm)とCUDAバージョン(cu)用のビルド済みバイナリとなっている。
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自分の使用しているGPUのcomputing capabilityはNVIDIAのページで確認できる([https://developer.nvidia.com/cuda-gpus https://developer.nvidia.com/cuda-gpus])。GeForceの場合、CUDA-Enabled Geforce and TITAN productsをクリックすると各GPUとcomputing capabilityの対応表が展開される。私の場合、GTX1080なので、Computing capabilityは6.1である。ファイル名に"sm61"と書いてあるGctfバイナリを選ぶ。
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また、私の環境でインストールしてあるCUDAは10.1だが、2019年5月17日現在、GctfバイナリはCUDA 8.0, 9.0, 9.1, 9.2についてしか公開されていない。
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一応 CUDA 9.2対応のバイナリが動くか動作検証してみます。
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<b>インストール</b>
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$ mkdir Gctf; cd Gctf
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$ wget https://www.mrc-lmb.cam.ac.uk/kzhang/Gctf/Gctf_v1.18_b2/bin/Gctf_v1.18_b2_sm61_cu9.2
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$ wget https://www.mrc-lmb.cam.ac.uk/kzhang/Gctf/Gctf_v1.18_b2/lib/libEMcore_sm61_cu9.2.so
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$ chmod +x *
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</pre>
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<b>動作実験</b>
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$ ./Gctf_v1.18_b2_sm61_cu9.2 --help
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./Gctf_v1.18_b2_sm61_cu9.2: error while loading shared libraries: libcufft.so.9.2: cannot open shared object file: No such file or directory
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やはりCUDA9.2の動的ライブラリを探しに行き、それが見つからないのでエラーとなった。
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複数のCUDAバージョンを1つの環境で共存させることは困難か、できない様である。
  
  
自分の使用しているGPUのcomputing capabilityはNVIDIAのページで確認できます([https://developer.nvidia.com/cuda-gpus https://developer.nvidia.com/cuda-gpus])。GeForceの場合、CUDA-Enabled Geforce and TITAN productsをクリックすると各GPUとcomputing capabilityの対応表が展開されます。私の場合、GTX1080なので、Computing capabilityは6.1です。
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私がすぐ思いつく対処策は以下2つ。
  
  
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* CUDAインストールやり直し
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** すでにCUDA10.1にリンクしてビルドしたプログラムが大量にあるので、この方法はとりたくない
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* NVIDIA Dockerを用い、CUDA9.2をインストールしたコンテナで作業する
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** これはこれで手間はかかりますがこの方法が一番綺麗かと
  
  
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ここではNVIDIA Dockerを用いた方法で対処することにします。
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→ [[DockerでRELION & Gctf]]
  
 
== CUDAバージョンの問題 ==
 
== CUDAバージョンの問題 ==
 
* 2019年5月17日現在、Kai Zhangにより公開されているGctf v1.18バイナリのCUDAバージョンは 8.0, 9.0, 9.1, 9.2に限られています。
 
* 2019年5月17日現在、Kai Zhangにより公開されているGctf v1.18バイナリのCUDAバージョンは 8.0, 9.0, 9.1, 9.2に限られています。
 
* CUDA10.1など最新のCUDAをインストールしている環境では動作しないかもしれません。
 
* CUDA10.1など最新のCUDAをインストールしている環境では動作しないかもしれません。

2019年5月17日 (金) 06:18時点における版

  • GPUで動作するCTF推定プログラムです。
  • Gctf: real-time CTF determination and correction, Kai Zhang, 2016


インストール

2019年5月17日、Ubuntu 16.04.6 LTS

  • https://www.mrc-lmb.cam.ac.uk/kzhang/
    • Gctfのビルド済みバイナリがダウンロードできる。
    • Gctf_v1.18はphase plate用と書いてありますが普通の画像にも使える。
  • 理由はよくわかりませんがソースコードがネット上に見当たりません。公開されていないかもしれません。
    • ソースコード非公開のプログラムが嫌いな方はCTFFINDを使いましょう。


Gctf_v1.18のリンクをクリックするとIndex of /kzhang/Gctf/Gctf_v1.18_b2というタイトルのページに飛ぶ。そこにbin/とlib/というディレクトリへのリンクがあり、中身はそれぞれ各computing capability(sm)とCUDAバージョン(cu)用のビルド済みバイナリとなっている。


自分の使用しているGPUのcomputing capabilityはNVIDIAのページで確認できる(https://developer.nvidia.com/cuda-gpus)。GeForceの場合、CUDA-Enabled Geforce and TITAN productsをクリックすると各GPUとcomputing capabilityの対応表が展開される。私の場合、GTX1080なので、Computing capabilityは6.1である。ファイル名に"sm61"と書いてあるGctfバイナリを選ぶ。


また、私の環境でインストールしてあるCUDAは10.1だが、2019年5月17日現在、GctfバイナリはCUDA 8.0, 9.0, 9.1, 9.2についてしか公開されていない。


一応 CUDA 9.2対応のバイナリが動くか動作検証してみます。

インストール

$ mkdir Gctf; cd Gctf
$ wget https://www.mrc-lmb.cam.ac.uk/kzhang/Gctf/Gctf_v1.18_b2/bin/Gctf_v1.18_b2_sm61_cu9.2
$ wget https://www.mrc-lmb.cam.ac.uk/kzhang/Gctf/Gctf_v1.18_b2/lib/libEMcore_sm61_cu9.2.so
$ chmod +x *

動作実験

$ ./Gctf_v1.18_b2_sm61_cu9.2 --help

./Gctf_v1.18_b2_sm61_cu9.2: error while loading shared libraries: libcufft.so.9.2: cannot open shared object file: No such file or directory

やはりCUDA9.2の動的ライブラリを探しに行き、それが見つからないのでエラーとなった。


複数のCUDAバージョンを1つの環境で共存させることは困難か、できない様である。


私がすぐ思いつく対処策は以下2つ。


  • CUDAインストールやり直し
    • すでにCUDA10.1にリンクしてビルドしたプログラムが大量にあるので、この方法はとりたくない
  • NVIDIA Dockerを用い、CUDA9.2をインストールしたコンテナで作業する
    • これはこれで手間はかかりますがこの方法が一番綺麗かと


ここではNVIDIA Dockerを用いた方法で対処することにします。 → DockerでRELION & Gctf

CUDAバージョンの問題

  • 2019年5月17日現在、Kai Zhangにより公開されているGctf v1.18バイナリのCUDAバージョンは 8.0, 9.0, 9.1, 9.2に限られています。
  • CUDA10.1など最新のCUDAをインストールしている環境では動作しないかもしれません。