単粒子解析

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単粒子解析法とは、Single Particle Analysis(SPA)の日本語訳である。単粒子とは、画像中の粒子(対象)が元来、2次元的にもしくは3次元的に同じ形をしていることを仮定して、その2次元、3次元構造解析を行う画像処理法のひとつである。

2次元単粒子解析

2次元単粒子解析とは、2次元で得られている電子顕微鏡投影像を分類し、それぞれを平均し、構造の違いを論じるための解析方法を指します。

3次元単粒子解析

 元々の粒子の構造が3次元的に単一であることを仮定して、2次元の粒子画像群から3次元構造を再構成する画像処理法を指します。その手順は、下記のようになります。

ROI(粒子画像の抽出)

電子顕微鏡画像の前処理


電子顕微鏡画像から粒子画像の抽出

主にDisplay2を使用して、粒子部分をROIファイルとして切り出します。


参照画像の作成

参照画像の準備(mrcImageModelCreate, pdb2mrc etc.)


3次元再構成

3次元再構成を行うためには多くの参照投影像が必要になりますので、Makefileを使用することをお薦めします。

投影角の決定までを行うMakefileの例はこちらにありますので、目的に合わせた設定で使用するとよいでしょう。

以降の項目では3次元再構成に至るまでの各処理をEosコマンドMakefileのコマンドと対応させながら、実行例を記述していきます。


参照画像から2次元の参照投影像のセットを生成

mrc3Dto2Dを使用して、2次元の参照投影像を作成します。


例. 121p-shift.ref3d を元に参照投影像121p-shift.ref2dを作成する場合(y軸, 軸周りに0度 ~ 360度の範囲で30度刻み)


例で使用する参照画像

121p-shift.png
xy平面

121p-shift1.png
yz平面

最小

最大
平均値
標準偏差

標準誤差

0 (0, 0, 0)

22320.6 (34, 39, 32)
42.1608
615.001

1.20117


既存のMakefileを再利用する場合は以下の設定を確認します。
今回はファイル名のみ変更しています。
# Ref File Name
INITIAL=121p-shift

#
# Search Area for 3D
#
ROTMODE=YOYS

#
# Search Area for 3D
#
ROTMODE=YOYS
# Rot1
ROT1MIN=0
ROT1MAX=359
ROT1D=30

# Rot2
ROT2MIN=0
ROT2MAX=359
ROT2D=30

# Rot3
ROT3MIN=0
ROT3MAX=0
ROT3D=30
設定確認後、make .ref3d.ref2dと入力すれば参照投影像が作成されます。


作成された参照投影像

121p-shift2d.png
z=0

121p-shift2d1.png
z=1

121p-shift2d2.png
z=2

121p-shift2d3.png
z=168

サイズ

最小
最大
平均値
標準偏差

標準誤差

( 64, 64, 169)

-76.7146 (32, 41, 138)
2557.54 (35, 32, 131)
42.1574
207.727

0.249672


最も類似度(相関値)の高い参照投影像の角度を粒子画像の投影角として決定

mrcImageAutoRotationCorrelationを使用して粒子画像の投影角を決定します。


三次元像を再構成する

mrc2Dto3Dを使用して三次元像を再構成します。


三次元像の分解能・質の確認

出来上がった三次元像を参照像と比較して、分解能や質を確認します。

主に使用するコマンド
mrcImageFourierShellCorrelation

mrcImageFOMCalc


繰り返し(精密化)