「CTF補正」の版間の差分

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(CTFコントラストのかけ方)
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== CTFコントラストのかけ方 ==
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== CTFによる変調を受けた画像を得るためには ==
 
 Eosでは、真の画像がどのように変調を受けるかをシミュレートするためのツールがいくつか有ります。
 
 Eosでは、真の画像がどのように変調を受けるかをシミュレートするためのツールがいくつか有ります。
 
 画像に対して、CTFの影響をみるためのツールが、[[mrcImageCTFCompensation]]です。このプログラムを使って、画像変調をかけてみましょう。
 
 画像に対して、CTFの影響をみるためのツールが、[[mrcImageCTFCompensation]]です。このプログラムを使って、画像変調をかけてみましょう。
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*[http://www.maxsidorov.com/ctfexplorer/webhelp/background.htm What is CTF]
 
*[http://www.maxsidorov.com/ctfexplorer/webhelp/background.htm What is CTF]
 
*[http://www.wadsworth.org/spider_doc/spider/docs/techs/ctf/ctf.html SpiderのCTF]
 
*[http://www.wadsworth.org/spider_doc/spider/docs/techs/ctf/ctf.html SpiderのCTF]
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== CTFのパラメータを決定するためには ==
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 Eosでは、自動的にCTFパラメータ(デフォーカス量)を決定するプログラム[[ctfDetemine]]があります。SNが十分に高く、トーンリングと呼ばれるコントラストが0の領域が明確に現れた場合には、決定することができます。こちらは、現在は、非点に対応できていません。
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 cryo-EMのデータなどで、コントラストが低い場合、SN比が悪い場合、また、自動決定したデフォーカス量等を確認する意味でも、[[ctfDisplay]]というツールを使います。
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 データを利用してCTFパラメータを決定してみましょう。
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== CTFによる変調を補正するためには ==
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 Eosでは、CTFによる変調を補正するためには、[[mrcImageCTFCompensation]]、あるいは、[[mrcImageCMultiCTFCompensation]]のいずれかを使います。前者は、一枚の画像のCTF補正を行う場合、後者は同一視野の二枚以上の画像(デフォーカスシリーズ)のCTF補正を行う場合に利用します。
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 [[mrcImageMultiCTFCompensation]]を利用する場合には、重ね合わせる画像同士の位置合わせ(アラインメント)を行っておく必要があります。

2012年9月9日 (日) 10:16時点における版

透過型電子顕微鏡画像は、通常、その撮影条件に応じて、画像が変調されて撮影されます。撮影された画像をそのまま解釈しようとすると問題が生じます。特に、コントラストが低い生物試料では、デフォーカス量を大きくとって、コントラストを増強しようとします。そのため、非常に大きな変調を受けます。  実空間で考えると、観察像は、真の像の一つ一つの点がどのように広がるかを示す、点拡がり関数(PSF: Point Spread Function)が各点毎に畳み込まれた(convolute)された画像になります。  一方で、逆空間(フーリエ空間)では、観察像のフーリエ変換は、この点拡がり関数のフーリエ変換されたものであるコントラスト伝達関数(CTF: Contrast Transfer Function)が、真の画像に積となったものとなります。  ここでは、Eosを使って、CTFの影響がどのように出るかを計算しながら、透過型電子顕微鏡の画像の意味を理解しながら、コントラストの補正を行う方法について、まとめておきます。


CTFによる変調を受けた画像を得るためには

 Eosでは、真の画像がどのように変調を受けるかをシミュレートするためのツールがいくつか有ります。  画像に対して、CTFの影響をみるためのツールが、mrcImageCTFCompensationです。このプログラムを使って、画像変調をかけてみましょう。  また、CTF関数そのものをインタラクティブに観察するには、ctfDisplayというツールがあります。このツールは、CTF関数そのものを決定するためのインタラクティブなツールでも有ります。  

CTFのパラメータを決定するためには

 Eosでは、自動的にCTFパラメータ(デフォーカス量)を決定するプログラムctfDetemineがあります。SNが十分に高く、トーンリングと呼ばれるコントラストが0の領域が明確に現れた場合には、決定することができます。こちらは、現在は、非点に対応できていません。    cryo-EMのデータなどで、コントラストが低い場合、SN比が悪い場合、また、自動決定したデフォーカス量等を確認する意味でも、ctfDisplayというツールを使います。

 データを利用してCTFパラメータを決定してみましょう。


CTFによる変調を補正するためには

 Eosでは、CTFによる変調を補正するためには、mrcImageCTFCompensation、あるいは、mrcImageCMultiCTFCompensationのいずれかを使います。前者は、一枚の画像のCTF補正を行う場合、後者は同一視野の二枚以上の画像(デフォーカスシリーズ)のCTF補正を行う場合に利用します。

 mrcImageMultiCTFCompensationを利用する場合には、重ね合わせる画像同士の位置合わせ(アラインメント)を行っておく必要があります。