「Gaussian Checkpoint Files」の版間の差分

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   FormCheckキーワードを使用すると、ASCII版のチェックポイントファイルを作成するよう要求できます。このファイルは Test.FChk という名前で、常にカレントディレクトリに置かれます。このファイルはGaussianプログラムでは読めません。FChkとFCheckはFormCheckの同義語です。FormCheckコマンドにはいくつかのオプションがあり、その詳細は "Gaussian User's Guide "で説明されています。
 
   FormCheckキーワードを使用すると、ASCII版のチェックポイントファイルを作成するよう要求できます。このファイルは Test.FChk という名前で、常にカレントディレクトリに置かれます。このファイルはGaussianプログラムでは読めません。FChkとFCheckはFormCheckの同義語です。FormCheckコマンドにはいくつかのオプションがあり、その詳細は "Gaussian User's Guide "で説明されています。
  
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Gaussian の使用法に関する入門的な説明は、次の文献にあります。
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 Gaussian の使用法に関する入門的な説明は、次の文献にあります。
J. B. Foresman, A. Frisch "Exploring Chemistry with Electronic Structure Methods: A Guide to Using Gaussian" Gaussian (1993)
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J. B. Foresman, A. Frisch "Exploring Chemistry with Electronic Structure Methods: A Guide to Using Gaussian" Gaussian (1993)
  
 
コマンドの詳細については
 
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M. J. Frisch, A. Frisch, J. B. Foresman "Gaussian 94 User's Guide" Gaussian (1996)
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M. J. Frisch, A. Frisch, J. B. Foresman "Gaussian 94 User's Guide" Gaussian (1996)
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に記載されています。
 
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2022年4月24日 (日) 05:49時点における版

Gaussian Checkpoint Files

David Young, Cytoclonal Pharmaceutics Inc. http://www.ccl.net/cca/documents/dyoung/topics-orig/checkpoint.html より改変

 計算化学プログラムGaussianでは、計算結果をチェックポイントファイルと呼ばれる機械読み取り可能なファイルに保存することができます。チェックポイントファイルの主な用途は、ある計算の結果を次の計算の出発点として使用することです。

 チェックポイントファイルの情報を使って計算を開始すると、計算結果は全く同じチェックポイントファイルに保存され、元のチェックポイントファイルは上書きされます。したがって、チェックポイントファイルのバックアップを作成しておくとよいでしょう。チェックポイントファイルが破損する可能性があることに注意してください(チェックポイントファイルへの書き込み中に計算が終了した場合など)。

Gaussianは以下のコマンドを実行すると、チェックポイントファイルを使用します。

%Chk=file_name

というコマンドを入力すると、チェックポイントファイルを使用します。  このコマンドが入力ファイルのルートカードの前にある場合,チェックポイントファイルを使用します.指定されたファイルが存在しない場合、そのファイルが作成されます。指定されたファイルが存在する場合、現在の計算で使用する情報をそのファイルから読み込むことができます。

チェックポイントファイルからの読み込みコマンド

ルートカードに以下のコマンドを記述することで、チェックポイントファイルの情報を用いて計算を開始することができます。

ChkBasis チェックポイントファイルから基礎セットを読み込みます。
SCF=Restart チェックポイントファイルからSCF計算を再開します。これは通常、何らかの理由で SCF の計算が終了しなかった場合に使用します。
IRC=Restart IRC計算が完了しなかった場合、または、反応経路の追加点が必要な場合に、IRC計算を再開します。
Scan=Restart 完了しなかったポテンシャルエネルギー表面のスキャンをリスタートしました。
Freq=Restart 完了しなかった数値周波数計算をリスタートします.解析的な周波数計算を再開することはできません。
Polar=Restart 完了していない数値偏光計算をリスタートします。
CIS=Restart CIS (Configuration Interaction - Single excitation)計算が完了していない場合にリスタートします。
Opt=Restart 完了していないジオメトリ最適化をリスタートします。
Geom=Checkpoint チェックポイントファイルから分子ジオメトリを読み込みます。
Geom=AllCheckpoint チェックポイントファイルから分子形状、電荷、多重度、タイトルを読み込みます。これは、異なるレベルの理論で2回目の計算を開始するためによく使用されます。
Guess=Read チェックポイントファイルから初期推算値を読み込みます。
 指定された基底セットがチェックポイントファイルを生成したジョブで使用された基底セットと異なる場合、波動関数はある基底から他の基底に射影されます。
 これはある基底から別の基底に切り替えるための効率的な方法です。
Density=Checkpoint チェックポイントファイルから密度を読み込みます。
 これはGuess=Onlyを導入し、積分やSCFが計算されないようにします。ジョブを再実行せずにポピュレーション解析の計算や波動関数からのキューブファイルの作成に使用されます.
Field=Checkpoint チェックポイントファイルから有限場の34多極子成分を読み込みます.
Field=EChk チェックポイントファイルから3つの電気双極子場成分を読み込みます。
Charge=Check チェックポイントファイルから点電荷を読み込みます。
ReArchive このオプションはチェックポイントファイルの情報からアーカイブエントリを生成するために使用されます。計算は行われません。

チェックポイント・ファイル・ユーティリティ

 c8694 ユーティリティは、チェックポイントファイルを古いフォーマット(Gaussian 86 から Gaussian 92/DFT)から Gaussian 94 フォーマットに変換するために使用することができます。このユーティリティには、チェックポイントファイルの名前を1つの引数として与えます。このファイルは、同じ名前の新しいファイルで上書きされます。 chkchk は Gaussian ディストリビューションに付属するユーティリティです。チェックポイントファイルからタイトルとルートセクションを抽出します。コマンドの使い方は

chkchk ファイル名

 ここで、file_name.chk はカレントディレクトリにあるチェックポイントファイルの名前です。

 chkmove は Gaussian に付属するもうひとつのユーティリティです。これは異なるアーキテクチャのマシン間でチェックポイントファイルを移動するために使われます。バイナリモードの ftp を使って異なるアーキテクチャのマシン間でチェックポイントファイルを転送しても、新しいマシンでは読み込めるファイルにはなりません。異なるアーキテクチャのマシン間でファイルを転送するためには、以下の手順を踏む必要があります。

 1.チェックポイントファイルを以下のコマンドでフォーマットされていないファイルからフォーマットされたファイルに変換します。 chkmove f ファイル_名.chk ファイル_名.xfr

 2.フォーマットされたファイルを、unixのrcpコマンドかASCIIモードのftpを使って新しいマシンに転送します。

 3.新しいマシンでは、次のコマンドでファイルをフォーマットされていないチェックポイントファイルに戻します。 chkmove u ファイル名.xfr ファイル名.chk

 cubegen ユーティリティを使用すると、チェックポイント・ファイルからキューブ・ファイルを生成することができます。これはルートカードでcubeキーワードを使用するのと同じ結果になります。cubegenについては、"Gaussian User's Reference "で説明されています。 formchkユーティリティは、チェックポイントファイルのフォーマットされた(ASCII)バージョンを生成するために使用することができます。

formchk ファイル名.chk ファイル名.fchk

 ここで、最初のファイル名はバイナリー・チェックポイント・ファイルで、2番目は作成するファイルの名前です。ジョブ終了後に formchk ユーティリティを使用すると、ジョブ実行時に FormCheck キーワードを使用した場合ほど出力形式を柔軟に変更することができません。  freqchk ユーティリティは、チェックポイント ファイルから振動周波数と熱化学の情報を抽出するために使用できます。また、HyperChemで読み込むことができるファイルを作成し、振動モードのアニメーションに使用することも可能です。

ASCIIチェックポイントファイルの作成

 FormCheckキーワードを使用すると、ASCII版のチェックポイントファイルを作成するよう要求できます。このファイルは Test.FChk という名前で、常にカレントディレクトリに置かれます。このファイルはGaussianプログラムでは読めません。FChkとFCheckはFormCheckの同義語です。FormCheckコマンドにはいくつかのオプションがあり、その詳細は "Gaussian User's Guide "で説明されています。

その他の情報

 Gaussian の使用法に関する入門的な説明は、次の文献にあります。

J. B. Foresman, A. Frisch "Exploring Chemistry with Electronic Structure Methods: A Guide to Using Gaussian" Gaussian (1993)

コマンドの詳細については

M. J. Frisch, A. Frisch, J. B. Foresman "Gaussian 94 User's Guide" Gaussian (1996)

に記載されています。