RELIONチュートリアル

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2017年2月11日 (土) 23:47時点におけるShgtkmt.tech (トーク | 投稿記録)による版

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1 Getting prepared(準備)

1.1 Recommended reading(参考書)

RELIONの品質向上の背景には以下の論文があります。

 ●S.H.W. Scheres (2012) "RELION: Implementation of a Bayesian approach to cryo-EM structure determination" J.Struc. Biol., 180, 519-530.

 ●S.H.W. Scheres (2012) "A Bayesian view on cryo-EM structure determination" J.Mol. Biol. 415, 406-418.


RELIONの使い方の包括的な概要に関しては以下の論文を参考にしています。

 ●S.H.W. Scheres (2016) "Processing of structurally heterogeneous cryo-EM data in RELION" Meth. Enzym., in press.

1.2 Install MPI

MPI(massage passing interface)がインストールされたコンピューティングクラスタ(もしくはNVIDIA GPU搭載のマルチコアデスクトップマシン)が必要になることに注意してください。RELIONをコンパイルするには、mpi-develパッケージが必要です。種類(openMPI、MPICH、LAM-MPIなど)またはバージョンはおそらくそれほど重要ではありません。まだmpi-develがインストールされていない場合は、openMPIをインストールすることをお勧めします。

1.3 Install CUDI

NVIDIAの比較的最新のGPU(計算能力3.5+以上)をお持ちの場合、オートピッキング、分類、洗練作業を大幅に短縮することができます。GPU加速をサポートするRELIONをコンパイルするには、CUDAをインストールする必要があります。このチュートリアルの準備にはCUDA-7.5を使用しました。 NVIDIAのWebサイトからダウンロードしてください。

1.4 Install RELION

RELIONはオープンソースのソフトウェアです。RELION wikiを無料でダウンロードして、インストール手順に従ってください。もし動作投入システム(Sun Grid EngineやPBS/TORQUEなど)に詳しくない場合は、インストール手順の説明に従って、qsub.cshスクリプトの設定に関するヘルプをシステム管理者に問い合わせてください。分散メモリ並列化のためのMPIと共用メモリ並列化のためのPthreadsの両方を使用する計算のハイブリッド並列動作を実行することをお勧めします。動作投入待ち行列システムは、これを可能にするためにいくつかの調整が必要な場合があります。その場合は再度、システム管理者に問い合わせてください。

1.5 Install motion-correction software

RELION-2.0は、全フレーム顕微鏡写真ムービー認識[5]に使用されるUCSFプログラムMOTIONCORRへのラッパーを提供します。Yigan Chengのページからプログラムをダウンロードし、インストール手順に従ってください。また、Niko grigorieffのグループからUNBLUR [3]を使用することもできます。 NikoのUNBLUR Webサイトからダウンロードしてください。

1.6 Install CTF-estimation software

CTF推定はRELIGIONの一部ではありません。代わりに、RELIONは、Niko GrigorieffのCTFFIND3 [6]、またはAlexis Rohou、CTFFIND4 [7]によって書かれたこのプログラムの次世代へのラッパーを提供します。NikoのCTFFINDのWebサイトからダウンロードし、インストール手順に従ってください。また、あなたのマシンにNVIDIAグラフィックスカード(GPU)を持っている場合は、Kai ZhangのGCTF [18]を使用することもできます。これはKaiのウェブサイトLMBからダウンロードできます。

1.7 Install RESMAP

ローカル解像度推定もRELIONの一部ではありません。 代わりに、RELIONはAlp KucukelbirのRESMAP [4]にラッパーを提供します。 AlpのRESMAPウェブサイトからダウンロードし、彼のインストール手順に従ってください。

1.8 Download the test data

このチュートリアルでは、さまざまなベータガラクトシダーゼの再構成を計算するために使用される顕微鏡写真のサブセットであるテストデータセットを使用しています[13,2,17]。計算負荷を軽減するために、これらのデータを2倍ダウンサンプリングしました。データは、次のコマンドを使用してダウンロードして解凍することができます。

wget ftp://ftp.mrc-lmb.cam.ac.uk/pub/scheres/relion20-tutorial.tar.gz

gunzip relion20_tutorial.tar.gz tar -xf relion20_tutorial.tar

2 What's new in RELION-2.0?

2.1 The GUI

2.2 Optimise computations for your stepup

2.3 On-the-fly processing running scheduled jobs

【Schedule】ボタンから、先の動作の準備をできます。スケジュール化された動作の予想される出力ファイルは、既に【Browse】ボタンから他の動作への入力として利用できるため、スケジュールされた動作リストに複数の連続した動作の「パイプライン」を構築することが可能です。GUIのトップ上の【Autorun】メニューからスケジュール化された動作を実行できます。そのプログラムは何回スケジュール化された動作を実行するか問いてきます。1より大きい値を指定すると、すべてのスケジュール化された動作が繰り返し実行されます。もしこの動作を選択した場合、スケジュール化された動作の各リピート間で何分経過させるべきかという疑問が生じるでしょう。(もしスケジュール化された動作の実行が短い場合、このプログラムはスケジュール化された動作の次の動作を待機させます。)次の動作タイプは、以前の反復(インポート、モーション補正、CTF推定、自動ピッキング、粒子抽出、ムービーリファインメ)ではまだ完了していない顕微鏡写真のみを処理します。他の全ての動作タイプはスケジュール化された動作タイプの実行の各反復後、再度ゼロから算出し始める。

この設定により、顕微鏡写真を収集する際に、オンザフライ処理を便利に行うことができます。顕微鏡写真や顕微鏡動画を顕微鏡コンピュータから処理コンピュータ(好ましくは、高速処理のための1つまたは複数の適切なGPUを搭載)にコピーするスクリプトをセットアップすることができます。(大きなファイルをコピーするのには時間がかかるため、顕微鏡写真と動画をインポートしたくなく、このスクリプトはファイルを一時的なファイル名としてコピーでき、それらが完全に終了したときにのみ、ファイルの最終的なファイル名に変更することができます)スケジュール化された動作リストの開始(例として【Micrograghs/*.mrcs】ファイルのインポート)はモーテョン推定、CTF推定、自動ピッキング。(適切なテンプレートがすでに用意されている場合は、いくつかの顕微鏡写真を取得した後で手動で粒子を選択する必要があります)、粒子抽出、2Dクラス化によって実行される。このスケジュール化された動作リストはおそらく各反復間に少なくとも30分または60分何回も反復され、インポートされた顕微鏡写真のリストはますます長くなり、スケジュールされた動作(モーション補正、CTF推定、自動ピッキング、粒子抽出)の各反復は、その反復時の全ての粒子数をゼロから2Dクラス化している間に、新しい顕微鏡写真上でのみ実行する。電子顕微鏡でデータ補正中に2Dクラス化の査定は、既に最初から価値のあるデータが得られたかどうか、方向性分布が大丈夫かどうかを決定させるのに有益であるかもしず、またおそらく、より氷が厚いグリッド上で収集する必要があります。もし、既に3Dリファレンスが良ければ、オンザフライ上での【3Dクラス化】、【自動3D精製】を実行するかもしれません。これは、例えば、関係ある補因子がインタレスト複合体に結合しているかどうかを確認するのに有用であり得る。

【subset selection】はスケジュール化されてますが、ユーザーは例えば最適なクラスを選択するための【2D classification】から _model.starを表示させるように入力するのを促されるのに注意して下さい。全てのスケジュール化された動作の実行はユーザーがこの選択を保存するまで続きません。このステップの自動化は次のRELIONのバージョンに組み込ませるつもりです。

2.4 Helical processing

Scheresグループの博士課程学生であるShaoda Heは、ヘリカルアセンブリの処理のためのワークフローを実装しています。これには、自動ピッキング、粒子抽出、2D分類化、3D分類化、自動3D精製、粒子洗練、およびマスク作といった動作タイプのパラメータパネルへの追加タブが含まれます。これらオプションのより詳細な説明は、ユーザーがRELION Wikiの関連するページから参照できます。

2.5 Other new functionalities

2.5.1 Dealing with differently scaled particles

RELION-1.4では、粒子をどれだけダウンスケーリングし(あるいはそうでないか)変更することを、STARファイル等を変更するためにawkスクリプトを付与させることで、いくつか備えていました。RELION-2.0ではとても簡単になされます。粒子抽出動作タイプは、手動ピッキング、自動ピッキングから座標を提供する代わりに、2Dクラス化、3Dクラス化、自動3D精製動作から _data.starを与える【re-extract refined particle】オプションを備えています。このオプションは、抽出された粒子の新しいSTARファイルに原点オフセットを書き出す際に、各入力粒子のスケールの違いを正しく考慮します。また入力_data.starファイルの洗練された原点オフセットによって定義された中心の粒子を抽出します(Re-center refined coordinatesオプションを使用します)。

他のRELION-1.4の不便なことは自動ピッキングでのテンプレートが取得してきた顕微鏡写真と同じスケールでなければならないことです。RELION-2.0ではそうではなく、【Reference】タブ上で【pixel size in references】で値を与えられる時に(もしくは【I/O】タブ上の【pixel size in micrographs】オプションを利用時)、入力する顕微鏡写真のSTARファイルで定義されたピクセルサイズと違ってても構わない。

2.5.2 Particle subtraction

粒子の削除動作タイプは、RELION-2.0パイプライン内の部分的なシグナル減算の手順を形式化します。入力マップの投影は、入力粒子から削除されます。(以前の3Dクラス化または自動3D精製の _data.starファイルとして提供されます。)マップを投影する前に、入力マスクがマップに適用されます。それゆえに、粒子から減算したい領域では白く、それ以外では黒くする必要があります。

同じの動作タイプで、(入力 _data.starファイル上のコラムを【rlnImageName】と【rlnImageOriginName】切り替えることで)減産された粒子から元の粒子へと戻すことができます。これは、たとえば、データを構造的に同種のサブセットに分類するために部分シグナル減産後に、複合体全体を再精製したい場合などに便利です。シグナル減算の手順の詳細については、eLifeの論文[1]を参照してください。

2.5.3 Join STAR files

RELION-2.0でのパイプラインの公式化により、粒子、顕微鏡写真、または顕微鏡動画のSTARファイルにアクセスできることが必要になってきました。これは、新しいjobtype join starファイルによって提供されます。4つ以上のファイルを結合する場合(完全に記述されたパイプラインを維持したい場合)は、GUIからこのユーティリティを複数回呼び出す必要があります。または、relion_star_combineコマンドラインプログラムを多数のファイルで実行し、結果のSTARファイルをパイプラインに再度インポートすることもできます。

2.6 How this tutorial works

3 Preprocessing

3.1

3.2

3.3

3.4

3.5

3.6

3.7

3.8

3.9

4. Reference-free 2D class averaging (参照無2次元クラス平均)

前書き

良くない粒子を取り除くために、大抵は参照なし2Dクラス平均を使います。

前項で述べた粒子抽出ステップ(例えば、自動検出結果の手動管理や抽出された粒子の分類)で良い粒子を含もうとしますが、ほとんどの場合、良くない粒子がデータの中にまだ存在しています。

良くない粒子は一緒にうまく平均化しないので、大抵は比較的小さいクラスになりやすく、不適切な2Dクラス平均を算出します。これらを取り除くことで効率的にデータをきれいにします。

4.1 Running the jobs (動作の実行)

このチュートリアルでは動作タイプを【2D classificiation(2次元分類)】にセットし、その中の【I/O】タブは次の通りにセットします。その他オプションは、前述の自動検出のテンプレートを作成した時と同じです。

Input images STAR file: Select/after_sorting/particle.star

現在約10,000個の粒子が存在するので、もっと多くのクラスを利用することができます。従って、【Optimisation(最適化)】タブを次の通りにセットします。

Number of class: 100

この動作は以前に述べた動作のものよりはるかに負担がかかる(アルゴリズムは粒子の数とクラスの数に比例してスケーリングされます)ので、この動作を並列処理することをお勧めします。1つもしくは複数のGPUがある場合、この動作を1時間半分程度で実行できます。aftersortのようなエイリアスを使用できます。

動作が終了したら、_model.staファイルを選択して【Subset select】を起動することができます。class2d_aftersortのようなエイリアスは意味があります。ここで、すべての見栄えの良いクラスをクリックして選択します。(もしくは右クリックメニューオプション【Select all classes above】を使用する。)この時、自動検出において低いしきい値を使用して、高解像度のノイズが蓄積している場合、低解像度の影のように見える【Einstein-from-noise】クラスに気を付けてください。上記の選択は避けて下さい。より良いクラスがすべて選択されたら、マウス右クリックメニューオプションから選択したものを保存します。

この手順は、複数回繰り返すことがあるので、覚えておきましょう。また、2D classficationのあとのデータに残っている異常値を識別するために、ソート(並べ替え)アルゴリズムを再実行できることに注意してください。

4.2 Analysing the results in more detail(より詳細な結果の分析)

ここではRELIONへの興味が深い人向けの、より詳細な情報を含んでいます。 お急ぎの方はこのセクションをスキップしても構いません。

RELION は 2D(3D)classification を繰り返すごとに、ファイルに書き出します。 2D クラス平均算出の最終反復時では、以下のファイルが作成されます。

● Class2D/allparts_run1/run_it025_classes.mrcs 

これはクラス平均結果をMRCスタックしています。これらはメインGUIのDisplay: ボタンから _modal.star を選択したときに表示される画像です。RELION は GUIから選択した場合、完全なCTF補正かかることに注意して下さい。そのためクラス平均はおそらくモノクロになります。もしデータが良ければ、その画像はローパスフィルターをかけた原子モデルにとてもそっくりな投影になります。 2D クラス平均の質は3Dマップがうまくいくかどうかの指標になります。我々はタンパク質ドメインの投影を用いた内部構造と、理想的には平らになっているであろう粒子周りの溶解可能領域を見たいと思う。
溶解可能領域の放射状に伸びた筋は典型的な過剰適合の兆候です。もしこれがおきたときは、2D classification アルゴリズムのE-step内で解像度に制限をかけてみて下さい。

●Class2D/allparts_run1/run_it025_model.star 

これは実際のクラス平均に沿って精製されたモデルパラメーター(classを超えた画像の分布、再構成された構造中のシグナル対ノイズ比の球体平均、全てのグループのノイズスペクトラム、など)を含んでいます。

less コマンドを使って、このファイルの中身を見てください。特に、data_model_classesテーブルのそれぞれのクラスの粒子分布を確認して下さい。これとクラス平均を比較すると、低解像度のクラスにある粒子はほとんどない一方で、高解像度のクラスに存在する粒子は多いと分かる。

平均的に少ない粒子を通しての平均化は自然と低いシグナル対ノイズ比になりますので、このときにベイズ推論的な考えを持つことが重要になります。それぞれのクラスにおいて概算されたスペクトラル、シグナル対ノイズ比はdata_model_class_N テーブルに保存されます。同様に、それぞれのグループにおいて概算されたノイズスペクトラムはdata_model_group_Nテーブルに保存されます。data_model_groupsテーブルはそれぞれのグループにて精製されたscale-factor強度を保存します。(平均よりも高い値をもつグループはより強力なシグナルを持っている、平均よりも低い値をもつグループは相対的に低いシグナルである)

これらの値はデフォーカスと相互関係があることが多いだけでなく、汚れのの蓄積や氷の厚さに影響される。

 

●Class2D/allparts_run1/run_it025_data.star

これはそれぞれの粒子に関わる全てのメタデータを含んでいます。particles.star fileに入力した情報の他に、最適な方向、最適なクラス課題、対数尤度への寄与、などなどに関する追加情報。

このファイルは再度新しく洗練されたデータをstarファイル同様の形式のでの入力に使用される。  

●Class2D/allparts_run1/run_it025_optimiser.star 

これは終了しなかった場合の再起動に必要な精製過程についての全体的な情報が含まれています。たとえば、もし25反復後でもまだ収束しなかった過程を考える場合(評価のために反復24と25から出したクラス平均を比較できる)、Finished jobs パネルの中で以下の機能を選択できる。I/O タブ上で、Continue from hereから上記のファイルを選択することが出来る。そしてそのときに、Optimisationタブ上でNumber of iterations:40 と設定して下さい。また、Sampling タブで緻密な角度や並列処理をするサンプリング比率を選ぶかもしれない。optimiser.starファイルのもう1つの有用な特徴が1行目に、これを動かすために与えられた正確なコマンドライン引数コメントが含まれています。  

●Class2D/allparts_run1/run_it025_sampling.star 

これはサンプリング率の採用についての情報が含まれています。このファイルもまた再起動に必要なファイルです。

4.3 Making groups

ここではRELIONへの興味が深い人向けの、より詳細な情報を含んでいます。 お急ぎの方はこのセクションをスキップしても構いません。

RELIONの粒子グループはともに以下のふたつのことを実行します。氷の厚さ、デフォーカスまたは汚染のためのスペクトラムノイズ強度平均の推定と、そのデータの異なる部分間全体のシグナル対ノイズ比の違いを表すシングルナンバー強度スケールファクターの推定。

通常、顕微鏡写真上の全ての粒子は別々のグループとして扱う。この動作は顕微鏡写真ごとに多くの粒子が存在する場合良い。しかし、高倍率で扱っている場合、サンプルは非常に希釈されるか、最終的に選択されたものは顕微鏡写真ごとには少数しか粒子が含まれておらず、スケールファクター(またノイズスペクトラ)強度の推定は不安定なものとなります。一般的に各グループに少なくとも10〜20の粒子がある方が良いとしているが、各グループの粒子の初期数は2D,3Dクラス化後より少なくなるだろうということに注意しておいて下さい。

顕微鏡写真ごとに粒子が殆ど無い場合、複数の顕微鏡写真から粒子グループを作る方が良い。このことから、RELION 2.0での新しいGUIとして【Subset selection】上で便利な機能が追加されています。それは【I/O】タブ上で _model.starファイルを選択した時、【Regroup particle?】と表示された時【Yes】と入力し、【Approximate nr of groups : 5】と【Class option】タブで入力することで、すべての粒子を5つのグループに分類できます。(実際の数は入力値によって幾分変化するため、入力上での近似値となる)この方法は以前の最終バージョンのRELIONでは避けられた方法でした。このチュートリアルの顕微鏡写真には十分な粒子が含まれているので、ここではこの手順を使用しません。

RELIONは、他のプログラムで時々使用されるデフォーカスグループとは非常に異なることに注意しておいて下さい。RELIONは常に各粒子に使用されたグループとは無関係に(異方性の)CTF補正されます。

5. Unsupervised 3D classification (教師無3次元クラス分類)

前書き

全てのデータセットは違う成分です!この疑問は どのくらい進んで関連付けられるかです。RELIONの 3Dマルチリファレンス精製手順は強力な無監視の3D classification への近道を提供している。しかし、まだ一つ必要になる。低解像度の総意モデルが一緒にスタートとするには。低解像度の初期のクリスタル構造から生成したガラクトシダーゼモデル(PDB-ID 3I3E)を使うとしよう。これはすでに project directory の中に 3i3e_lp50A.mrcという名前で入っている。定型的なプロジェクトの中では良い初期モデルを用意できない可能性がある。その場合は違うプログラムから別のモデルを持ってくる必要がある。RELIONは最初のモデルを生成することはまだできない。   すでにリファレンスモデルを正しいピクセルとボックスサイズで作っています。もしこの事例に当てはまらないモデルを使う場合は、コマンドラインからrelion_image_handler というプログラムを使って、ピクセルサイズ(--anpixelと--rescale_angpixというオプションを使う)とボックスサイズ(--new_box)を変更してもかまわない  

この場合、Importという機能を使って、直接プロジェクトに初期モデルをインポート出来る。ファイルを入力したら、3i3a_lp50A.mrc を選択して、the Node typeで3D referenceを選択して下さい。initial-3drefのようなエイリアスを使う。

5.1 Running the job

無監視の3D分類は、3D分類ジョブタイプから実行してもよい。


【I / O】タブの設定:

・Input images STAR file: Select/class2d_aftersort/particles.star
・Reference map: Import/initial_3dref/3i3e_lp50A.mrc
・Reference mask (optional):

これは空白のままにしておく。リボソーム改良のための大/小サブユニットマスク。 左が空の場合、最適化によって与えられた粒径の球形マスクタブが使用される。 これにより、分類に与える影響が最小限に抑えられる。


【Reference】タブの設定:

・Ref. map is on absolute greyscale: No

relion内の同じデータから再構築されていないマップは、おそらく正しいグレースケールではない。

・Initial low-pass filter (A): 50

リファインメントプロセスにバイアスを導入する可能性があるため、高解像度の開始モデルは使用してはいけない。[9]で説明したように、初期マップをできる限りフィルタリングする必要がある。 小さいパーティクルでは通常40〜60Åの値を使用する。

・Symmetry: C1

このサンプルにはD2の対称性があることはわかっているが、どのような対称性も持たない初期分類を行うアイデア粒子は適切なものから分離することができ、対称性は再構成された地図で確認された。

【CTF】タブの設定:

・Do CTF corection? Yes
・Has reference been CTF-correced? Yes


・Have data been phase flipped? No
・Ignore CTFs untill first peak? No

2D分類ジョブでもそうした場合にのみ、このオプションを使用する。


【Optimisation】タブの設定:

・Number of class: 4

より多くのクラスを使用すると、多様な情報が含まれているデータセットがより多くのサブセットに分割されます。計算のコストCPUとメモリに関係して、クラスの数に比例して増加します。

・Number of iterations: 25

これは今後変更する必要はありません。

・Regularisation parameter T: 4

Tの定義については[10]を参照してください。低温EM2D分類では、通常、Tは1~2を設定し、3D分類では2~4を設定する。ネガティブ染色の場合、少し低い値が効果的な時があります。クラス平均が荒々しく見える場合はTの値を低くし、逆にクラス平均の解像度が低すぎる場合はTの値を高くします。高解像度のノイズを大きく認識することが主になります。あらかじめ計算された結果に2という値を使用しました。おそらく4を設定しても同じようにうまくいくでしょう。

・Mask diameter (A): 200

前回の【2D classification】の動作タイプと同じ値を使用してください。

・Mask individual particles with zeros? Yes
・Limit resolution E-step to (A): -1

正の値を指定すると、この値を超える周波数はアラインメントに含まれません。これは過適合を防ぐのにも役立ちます。ここではそれは本当に必要にではありませんが、10~15Aに設定されている可能性があります。

【Sampling】タブでは、通常何かを変更する必要はありません(正20面体のような大型で高度に対称な粒子の場合、線量1は典型的にはこの時点で3.7度の角度サンプリングを使用します)。【Helix】タブを無視し、以前の【2D-classification】の場合と同様に【Compute】タブに記入してください。ここでも、【Running】タブで、使用する【Number of MPI processors(MPIプロセッサの数)】と【threads(スレッド数)】を指定できます。【2D classification】の動作タイプで説明したように、3D分類は2D分類よりも多くのメモリを必要とするため、より多くのスレッドが使用されることがあります。しかし、この場合、画像はかなり小さく、RAM不足はそれほど大きな問題ではないかもしれません。おそらく、最初の3D分類を示すために[first_exhaustive]のようなエイリアスを使用でき、徹底的な角度検索を使用しているのではないでしょうか。

洗練された再構成を分析する際には、UCSFキメラなどのしきい値マップだけでなく、スライスでそれらを見ることも非常に便利です。スライスビューでは、未解決の異質性のより良い印象を受けるでしょう。これは、スライスに不鮮明な領域や縞状の領域として表示されます。スライスはまた、溶媒領域の平坦性の良好な印象を与える。[Display]を使用します。ボタンを押して、最後の反復からの再構成のいずれかを選択してRELIONのスライスビューを開きます。

レンダリングされた地図を3Dで見ると UCSFキメラを使用すると、マップが細分化の間にわずかに回転する可能性があるので、それらをすべて最良のものに合わせることはしばしば良い考えです。キメラでは、【Tools】 - > 【Volume Data】 - > 【Fit in Map】ツールを使用します。お互いに並んでいる複数のマップを見るには、【Tools】 - > 【Structure Comparison】 - >【Title Structures】ツールと、【Viewing】ウィンドウの【independent】中心回転方法を組み合わせたものが好ましいです。

2D分類の場合と同様に、【Subset selection】を使用して、1つ以上のクラスに割り当てられた粒子のサブセットを選択することができます。【I/O】タブで、_model.starファイルのサブセットを最後の反復から選択します。表示された表示ウィンドウには、4つの洗練されたモデルの中央スライスが表示されます。最適なクラスを選択し、マウス右クリックポップアップメニューを使用して対応する粒子を保存します。class3d_first_exhaustiveのようなエイリアスを使用してください。

5.2 Analysing the results in more detail

ここではRELIONへの興味が深い人向けの、より詳細な情報を含んでいます。 お急ぎの方はこのセクションをスキップしても構いません。

出力ファイルは基本的に2dクラス化の実行時と同じです。(実際に2d,3dクラス精製時に同じ記法を利用している)唯一の違いは、以前に出力された2Dクラス平均に関するシングルMRCスタックとは対照的に、各クラスのマップが別々のMRCマップとして保存されることです。

今まで通り、よりクラスが小さいと、大きなクラスより精密にローパスフィルターにかけられ、スペクトルのシグナル対ノイズ比が【_model.star】ファイルの【data_model_class_N】テーブル(N = 1,,,,K)に保存されます。おそらく今がSTARファイルから任意のタイプのデータを抽出するのに便利な2つの手軽なスクリプトを導入するいい機会です。以下の通りにタイプして下さい。

relion_star_printtable Class3D/first_exhaustive/run_it025_model.star data_model_class_1 rlnResolution rlnSsnrMap


上記はdata_model_class_1テーブルから解像度に関する(rlnResolution)コラムとスペクトルのシグナル対ノイズ比に関する(rlnSsnrMap)コラムを画面に出力します。ここでそのファイルを参照して、お気に入りの言語でプロットできます。もし、使用者のコンピューターに【gnplot】がインストールされているのであれば、以下の通りにタイプして下さい。

relion_star_plottable Class3D/first_exhaustive/run_it025_model.star data_model_class_1 rlnResolution rlnSsnrMap

実行が収束したかどうかを確認するには(上記のように)、以下でも確認できます。

grep _rlnChangesOptimalClasses Class3D/first_exhaustive/run_it???_optimiser.star

今までで分かるように、STARファイルはさまざまなタイプの入出力データを扱うのに非常に便利なツールです。得られた結果の分析するための柔軟で強力なツールとなる【relion_star_printtable】のようなスクリプトは、だいたい【grep】や【awk】のようなlinuxのシェルコマンドと併用して実行できる。

6 High-resolution 4D refinment

6.1 Running the job

6.2 Analysing the results

7 Mask creation & Postprocessing

7.1 Making a mask

7.2 Postprocessing

8 Local-resolution estimate

定例処理プログラムから解像度の推定はグローバルな推定となる。しかしながらシングルナンバーは、しばしば高分子錯体の再構築がしばしば観測される程の解像度の変化を描写できません。Alp Kucukelbir and Hemant Tagareはマップ全体の解像度の変化を推定する気難しいプログラムを記述する。RELION動作タイプは【Local resolution】を通したプログラムのラッパーを内包する。【I/O】タブ上で以下の通りにして下さい。

• One of the two unfiltered half-maps: Refine3D/after first class3d/run half1 class001 unfil.mrc
• User-provided solvent mask: MaskCreate/first3dref th002 ext2 edg3/mask.mrc
• Calibrated pixel size: 3.54

(時には、正しいピクセルサイズだと思ったモデルを構築し始めたときに、実際には数パーセントずれていたことがわかります。RELION内では、この時点までの全てが一貫しています。そのため、再度マップを精製、データのクラス化をする必要がない。正確なマップと最終的な解像度推定のためにここに正しいピクセルサイズを指定するだけです。) 【ResMap】タブ上で以下の通りにして下さい。

ResMap executable: /where/ever/it/is/resmap.exe

(resmap実行可能ファイルへのパスを指定します。シェル上で環境変数$RELION_RESMAP_EXECUTABLEを定義することで、どのディレクトリ上でもコマンドを打てることに注意して下さい。)

P-value: 0.05

(これを変更することはほとんどありません)

Highest resolution (A): 7

(ナイキスト周波数は7˚Aです)

Lowest resolution (A): 10

(計算上での最低の解像度を指定します)

Resolution step size (A): 0.5

(よりステップ数を増やせば、より正確なローカルリソルーションマップの結果導き出すが、より実行時間は長くなる。)

first3refのようなエイリアスを使用して下さい。RASMAPプログラムからポップアップ画面上に表示されたら、緑色の線が水平であるかどうかを確認してください。それを変更するためには、RESMAP上のGUIからフィルターボタンを利用して下さい。しかしながら、RELION上でマップを生成し、変化させる必要がないことにしばしば気がつくでしょう。resmapプログラムが完了するまでに時間がかかることがあります。Resmap/first3dref/half1_resmap.mrcの結果は、UCSF chimera上でTools -> Volume data -> Surface colorと選択した後、【volume data value】で選択したローカル解像度によってPostprocess/first3dref/postprocess.mrcのマップに色をつけ、rasmapファイルをブラウズするために使われる。この特別な場合、データが低解像度処理されてたことや、ベータガラクトシダーゼは非常に柔軟な粒子ではないために、ローカル低解像度のバリエーションは見るに良いというわけではないです。しかし、とにかく全体を知るのはいいことです。

9 Moving-processing & particle polishing

9.1

9.2

9.3

9.4

10 Wrapping up

どうやって最終的な再構築を成すか気になるでしょう。【Finished jobs】リストから実行する最後の動作を選択し、【Job actions】ボタンから【Make flowchart】オプションを試して下さい。これを実行するには、【LATEX】や【TikZ】をコンピューターにインストールする必要があります。最初のフローチャートはどうやってここまで終わらせるかについて示します。10ステップ以上からなるフローチャートは複数の塊に別けられる。ワークフローでブランチを切られる。したがって、動作の終わり毎にしたがって切られるブランチからなるフローチャートもある。ブルーボックスをクリックすることで、PDBファイル内の位置に相当するデータを得られる。最後のページには、正確な動作名のないフローチャートが表示されます。これは、出版目的に役立ちます。 以上です!このチュートリアルを楽しんで、それが役に立つことを願います。もし他にRELIONについて質問があるならば、最初にRELION WikiのFAQとCCPEMメーリングリストを確認してみてください。もし望んだ情報が得られなければ、CCPEMリストを利用して質問してみてください。Sjorsにダイレクトメールをしないで下さい。質問すべてに返答できるわけでなありませんのでご了承下さい。 もしRELIONが利用者の研究に有益であると判断できましたら、私たちの論文を引用したり、周りに伝えてみてください。

References

[1] Xiao-chen Bai, Eeson Rajendra, Guanghui Yang, Yigong Shi, and Sjors HW Scheres. Sampling the conformational space of the catalytic subunit of human -secretase. eLife, 4, December 2015.

[2] Shaoxia Chen, Greg McMullan, Abdul R. Faruqi, Garib N. Murshudov, Judith M. Short, Sjors H W Scheres, and Richard Henderson. High-resolution noise substitution to measure overfitting and validate resolution in 3d structure determination by single particle electron cryomicroscopy. Ultramicroscopy, 135:24–35, December 2013.

[3] Timothy Grant and Nikolaus Grigorieff. Measuring the optimal exposure for single particle cryo-EM using a 2.6 reconstruction of rotavirus VP6. eLife, 4:e06980, 2015.

[4] Alp Kucukelbir, Fred J Sigworth, and Hemant D Tagare. Quantifying the local resolution of cryo-EM density maps. Nature methods, 11(1):63–65, January 2014.

[5] Xueming Li, Paul Mooney, Shawn Zheng, Christopher R Booth, Michael B Braunfeld, Sander Gubbens, David A Agard, and Yifan Cheng. Electron counting and beam-induced motion correction enable near-atomicresolution single-particle cryo-EM. Nature methods, 10(6):584–590, June 2013.