RELION3チュートリアル

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2019年2月8日 (金) 01:17時点におけるYusuke (トーク | 投稿記録)による版

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RELION3

11 まとめ

11.1 フローチャートの作成

どのようにして最終的な再構築をするか気になるでしょう。Finished jobリストから実行した最後の動作を選択し、Job actionsボタンからMake flowchartオプションを試してください。これを実行するためにはシステムにLATEXTikZパッケージが必要となります。最初の項は正確な作業名のないフローチャートの全体像です。これは、出版目的に役立つでしょう(おそらくお気に入りのvector-based designプログラムの編集後に)。フローチャートの全体像の後に、最初の詳細なフローチャートにどのようにして終了するかが示されています。10ステップ以上からなるフローチャートは複数の構成要素に分けられることに注意してください。作業中に複数枝分かれすることがあるでしょう。それ故に、最終作業のフローチャートに従って、それぞれの分岐についてフローチャートがあるでしょう。リンクをクリックすることでPDFファイルから合致する位置を得ることができます。

11.2 ディレクトリのクリーンアップ

ディスクの空間を確保するために、RELIONは作業ディレクトリをクリーンアップするオプションを持っています。これには2つのモードがあります。gentleクリーンは作業ディレクトリから中間ファイルのみを削除します。harshクリーンは作業からのインプットを必要とする新たな作業を開始するのに必要なファイルを削除します。例えば、harshクリーンはMotion Corr作業から平均化された、あるいはParticle extraction作業から少量のスタックを抽出された顕微鏡写真を削除します。一方、gentleクリーンは2D classification, 3D classificationあるいは3D auto-refine作業の中間反復からすべてのファイルを削除します。Job actionsボタンから個別に作業をクリーンアップすることができます。あるいは、GUIのトップメニューから下がった、Jobsからすべての作業をクリーンアップすることができます。私たちは計算前の結果に頭を悩ませていたプロジェクトディレクトリのtarballを作る前にそのメニューからGently clean all jobsオプションを使いました。長期間保存されていたデータを取る前にプロジェクトディレクトリをクリーンアップしたいでしょう。

11.3 質問や引用

以上です!このチュートリアルを楽しんで、そして役に立つことを願います。もしRELIONについて質問があれば、初めにRELION WikiFAQCCPEMメーリングリストを確認してください。それが助けにならなければ、CCPEMリストを利用して質問してください。お願いですから、決してSjorsに直接メールを送信しないでください。質問全てに返答できるわけではありません。もしRELIONが利用者の研究に有益であると思ったら私たちの論文を引用し、あなたの研究仲間たちに伝えてください。

11.4 参考文献

RELIONの手順の改善を支持した理論の詳細は以下の論文で述べられています。

  • S.H.W. Scheres (2012) “RELION: Implementation of a Bayesian approach to cryo-EM structure determination” J. Struc. Biol., 180, 519-530.
  • S.H.W. Scheres (2012) “A Bayesian view on cryo-EM structure determination” J. Mol. Biol., 415, 406-418.

RELIONの使い方に関する包括的な概観は以下の論文に述べられています。

  • S.H.W. Scheres (2016) “Processing of structurally heterogeneous cryo-EM data in RELION” Meth. Enzym., 579, 125-157.


12 付録 A:インストールの注意

12.1 MPIのインストール

MPI(message passing interface)がインストールされた計算機クラスター、もしくはNVIDIA GPU搭載のマルチコアデスクトップマシンが必要になることに注意してください。RELIONをコンパイルするには、mpi-develパッケージが必要です。おそらく存在する種類(MPICH, LAM-MPI, etc)またはバージョンはそれほど重要ではありません。まだシステム内にmpi-develをインストールしてなければ、openMPIをインストールすることをお勧めします。

12.2 CUDAのインストール

NVIDIAの比較的新しいGPU(compute capability 3.5+以上)を持っている場合、オートピッキング、分類、精密化作業を高速に実行できます。GPU-accelerationサポートを含むRELIONをコンパイルするには、CUDAをインストールする必要があります。このチュートリアルの準備にはCUDA-8.0を使用しました。NVIDIAのWebサイトからダウンロードしてください。

12.3 RELIONのインストール

RELIONはオープンソースのソフトウェアです。the RELION wikiから無料でダウンロードして、手順に従ってインストールしてください。もし、job submission system(Sun Grid EngineやPBS/TORQUE etc)に詳しくない場合は、インストール手順の説明にあるように、qsub.cshスクリプトの設定に関して、システム管理者にお尋ねください。分散メモリ並列化のためのMPIと、共用メモリの並列化のためのpthreadsの両方を使用する、いわゆるハイブリッド並列計算を実行したいときは注意してください。ジョブキューイングシステムはこれを可能とするためにいくつかの調整が必要な場合があります。再度、システム管理者にお尋ねください。

12.4 モーション補正ソフトウェアのインストール

RELION-3.0は全フレーム顕微鏡写真ムービーアライメントに使用される、UCSFプログラムMOTIONCOR2へのラッパーを提供します。Dabid Agardのページからプログラムをダウンロードし、インストールの手順に従ってください。また、RELIONの保有する、MOTIONCOR2の実行を使うかもしれません。なので、もし、UCSF実行をインストールするのに問題が発生しても心配しないでください。バージョン3.0において、Nico grigorieff’s groupからUNBLURへのラッパーはGUIから中止されていることに注意してください。

12.5 CTF推定ソフトウェアのインストール

CTF推定はRELIONに含まれていません。代わりに、RELIONはAlexis RohouやNiko Grigorieff’s CTFFIND4へのラッパーを提供します。Niko’s CTFFIND websiteからダウンロードし、手順に従ってインストールしてください。また、もし、パソコンにNVIDIA graphics card(GPU)が入っているならKai Zhang’s GCTFを使うこともできます。その際は、LMBに関するKaiのWebサイトからダウンロードしてください。

12.6 RESMAPのインストール

局所分解能推定はRELIONが所有するポストプロセッシングプログラムの中、あるいはAlp KucukelbirのRESMAPへのラッパーを通して実行される。AlpのRESMAP Webサイトからダウンロードし、手順に従ってインストールしてください。