開発にかける思いByYasunaga

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2012年10月9日 (火) 11:10時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版

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開発開始当初(1996年)と比しても、数多くのソフトウェアが開発され、利用されている中で、これだけのgeneral packagesを維持し、こだわり続ける理由、その開発にかける思いを少しずつこちらに書き綴ることにした。

すべてを持つ事の意味

 「生物学」としての研究の効率を考えれば、適切なツールを組み合わせながら、確実に研究を進めていくことが王道であろう。その意味では、全てをもち、開発することにどれだけの意味があるだろう。一方で、他のツールとの連携を進めつつも、全てを持とうとする意思を持ち続けたいと考える。その事の意味は、自分自身が本当に理解できている訳ではないが、大きな壁を突破するためのひとつの施策であると信じたい。  実際、トモグラフィーを使った研究を進めるためには、マーカーの追跡ツールを持たないが故に、IMODを利用してきた。その中で、IMODの限界も感じている。その際、せっかくのデータを生かし切れない悔しさを感じる。データを情報化できない自分に歯がゆく、データに申し訳ない思いに駆られる。すなわち、これは自分自身のもつ研究へのひとつの情熱、データを最大限に利用したい、隠された情報をできる限り掘り出したいという思いによるものである。  一方で、研究を私物しかして良いのか、もっと誠実であれと考えることもある。  2012年のノーベル医学生理学賞は山中先生がとることととなった。彼は、科学者として必要なことは、

VW(Vision & Wark Hard)

と述べている。  Eosを作り続ける私のVisionは、生命のもち、細胞内で引きおこしている「こと」を、その足場である「もの」の立場から解明していくことだ。体の中で起きている現象を白日のもとに晒すための技術を作り出していくこと、そのことに最大限の努力をはたしていきたい。

アルゴリズムを理解し、利用すること

 「学びすぎることはよくない」との指摘はこれまでも受けてきた。私がアルゴリズムを理解するには、実際にプロトタイプを作成し、テストするという操作が必要だ。

ソフトウェアの寿命

 ソフトウェアは生き物だ。開発し続けるからこそ、ソフトウェアは生きながらえ続ける。一つの理由は、ハードウェアやOSの変化が激しく、対応し続けないとすぐに動かなくなってしまう、その一方で、ちょっとした改造を行うだけで、新しい環境に対応し続けることができる。まさに、生命の進化がそうで合ったように、多くのエレメントを組み合わせ、改良しながら、ソフトウェアは進化し続ける。ソフトウェアは、開発者の一から書き直す衝動に駆られながらも、リファクタリングされながら、鋳掛けや的な改造の中で、生きながらえる。

プラットフォームをもつこと

 いつの頃からだろうか、ハードウェアで使われていたプラットフォームというキーワードが、ソフトウェアを含め、多くの世界でつかわれるようになった。

イノベーションのもつ意味

 シュンペータが唱えたイノベーションとは「新結合」を意味する。まったく新しい技術を開発する発明(インベンション)とは異なる。つなぎ方そのものが「発明」であるとすれば、同じ意味であるかもしれない。