電子レンズ

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電子レンズは、電子線を曲げ、レンズと同様の作用をもたらすものです。大きく、電場によるもの、磁場によるものがあります。

光学顕微鏡と電子顕微鏡の光学系

 基本的には、光学顕微鏡も電子顕微鏡も同じ光学系をもっています。

照射系

 試料に対して、適切な光量(電子線量)、照射範囲で、質の良い光(電子線)を照射するための光学系です。通常、2〜3段の磁界レンズからなります。


結像系

 試料を透過した光(電子線)から像をつくるための光学系です。電子顕微鏡の場合には、大きく三種類の光学系からなります。

対物レンズ

 試料から散乱した電子を用いて、最初に、数百倍、数万倍に拡大するレンズです。その拡大率は、通常、2−3種類の固定倍率(LogMag, Mag)です。場合によっては、ミニレンズを後段に設けている例があります。低倍と高倍を出来る限り同じ対物レンズの電流値を保ち、磁界を一定として、ヒステリシスを抑えることに有効です。  対物レンズは、強い磁界を生み出しており、その電流変化は磁界のヒステリシスを生み出します。また、電流を変化させることは倍率を変えることに対応します。電流変化は最小限に抑えることが望ましいです。

中間レンズ

 倍率と像の回転等を補正する為のレンズです。通常、2〜3段の磁界レンズからなります。

投影レンズ

 スクリーン(蛍光板)、フィルム、CCDカメラなどに電子線を投影するためのレンズです。


電界レンズ

 電子銃から電子を引き出した直後に用いられている場合があります。

磁界レンズ

 集束レンズ(照射レンズ)、対物レンズ、中間レンズ、投影レンズなどに用いられているものです。