Eos
Eos(イオス)は若林 健之と安永 卓生により、1996年に開発され、公開された電子顕微鏡画像解析ソフトウェアである。もともと50個程度のプログラムの集合であったが、学生を含めて、その後のソフトウェアの開発に伴い、現在は400近くのプログラムの集合体からなる、電子顕微鏡画像処理に関する統合環境となっている。
Eosの名称は、Extensible Object-oriented Systemの頭文字をとったもので、ギリシャ神話の暁の女神であるエーオースにかけて命名した。ここから多くのプログラムが開発されていくことに願いを込めている。
Eosの特徴は、4つのサポート(Support)を提供していることにある。その内の二つは、開発者向けに、残りの二つはユーザー向けに提供している。前者の開発者向けのサポートは、オブジェクト指向型ライブラリとプロトタイプ・ソースコードであり、後者のユーザー向けのサポートは、それぞれ実行できるコマンド群(Small Tools)と、それらを統合した統合プログラムである。統合プログラムには、Display2のようなコマンドの一つとして提供しているものと、makeのためのMakefile(今後、将来はPIONEで、GUI付きで統合予定)である。
目次
ユーザー向けサポート
Eosは、電子顕微鏡画像処理を行うユーザー向けに、2012年時点で400に近いプログラムを提供し、また、それらを統合して、電子線トモグラフィーや単粒子解析などを行うための統合プログラムを提供している。
コマンド群(Small Tools)
Eosの発想は、UNIXのそれに近い。UNIXでは、ls/cat/grep/sedなどの各々特定の仕事に特化したコマンドが提供され、シェルスクリプトの形でそれらをまとめ、より大きな仕事を行う。Eosでも、基本的には、小さいプログラムを組み合わせて、大きな仕事(単粒子解析や電子線トモグラフィー)などを統合プログラムにより行う。前処理・後処理に利用する一般的な画像処理、3次元再構成のためのコマンド、電子顕微鏡画像の補正に関わるもの、など、コマンド一覧や機能別コマンド一覧の詳細は各々別ページを参考にしてもらいたい。