mrc2Dto3D
mrc2Dto3Dは電子顕微鏡画像である2D画像を3D画像にするEosのコマンドである。 切り出した粒子の角度情報から、逆投影法を用いて3次元構造を再構築する。 出力はdsn6と3dファイルとなっており、密度マップを分子ビュアー(VMDやchimeraなど)で表示することが可能である。
オプション一覧
メインオプション
各パラメータ設定やモード指定を行う。
オプション | 必須項目/選択項目 | 説明 | デフォルト |
---|---|---|---|
-i | 選択 | 入力ファイル設定 | NULL |
-I | 選択 | 入力ファイル設定 | NULL |
-each | 選択 | 一つ一つのファイルを必要なときに読み込む | |
-o | 必須 | 出力ファイル設定 | NULL |
-O | 選択 | 出力ファイル設定 | NULL |
-single | 選択 | 傾斜軸を一つに設定 | 1 |
-InterpolationMode | 選択 | 展開モード | 1 |
-Double | 選択 | 傾斜軸を2つに設定 | |
-DoubleCounter | 選択 | -Doubleを宣言した上で使用 2つの傾斜軸を選択し、設定する |
NULL |
-CounterThreshold | 選択 | -Doubleを宣言した上で使用 波形の谷の閾値 |
1e-6 |
-CounterThresholdMode | 選択 | -Doubleを宣言した上で使用 波形の谷の閾値のモード |
0 |
-WeightMode | 選択 | -Doubleを宣言した上で使用 重心のモード |
0 |
-thicknessWeight | 選択 | -Doubleを宣言した上で使用 重心の深さ |
|
-Sub | 選択 | -Doubleを宣言した上で使用 下位サンプリング |
1 |
-PlusXrot | 選択 | rasmolのためにx軸を180°回転 | |
-SIRT | 選択 | 同時反復再構成法 | |
-max | 選択 | -SIRTを宣言した上で使用 同時反復再構成法の最大値設定 |
30 |
-rms | 選択 | -SIRTを宣言した上で使用 同時反復再構成法の平方2乗平均を設定 |
1.0 |
-CTF | 選択 | -SIRTを宣言した上で使用 CTFInfoファイルを設定 |
NULL |
-m | 選択 | モード | 0 |
-h | 選択 | ヘルプを表示 |
-mの詳細
投影像のモード指定を行う。
モード | 説明 |
---|---|
0 | 単純な逆投影 |
1 | フィルター逆投影 |
2 | 重み付き逆投影 |
-singleの詳細
傾斜軸を指定する。
モード | 説明 |
---|---|
0 | 傾斜軸をx軸と平行にする |
1 | 傾斜軸をy軸と平行にする |
-WeightModeの詳細
計算時の重みを指定する。
モード | 説明 |
---|---|
1 | 実空間:円(同じ密度) |
2 | 実空間:円(加重密度) |
3 | 実空間:正方形(加重密度) |
4 | フーリエ空間:平面(同じ密度)-CounterThreshold 0.5とする |
5 | フーリエ空間:線形包配 -CounterThreshold 0.5とする |
6 | フーリエ空間:cos包配 -CounterThreshold 0.5とする |
-InterpolationModeの詳細
計算方法を指定する。
モード | 説明 |
---|---|
0 | 最短距離法 |
1 | 線形補間法 |
2 | 3次補間法 |
3 | 多項式法 |
オプション-Iのファイルフォーマット
filename0 RotationOrder0 rot1 rot2 rot3 filename1 RotationOrder1 rot1 rot2 rot3 ・ ・ ・
RotationOrderの詳細
一桁目: どの軸から回転を始めるか設定 二桁目: 回転軸の順番を設定1 O…Z→Y→Xの順に回転軸を変更する E…Z→X→Yの順に回転軸を変更する 三桁目: 回転軸の順番の設定2 Y…順番を維持する N…順番を逆順にする 四桁目: 回転方法を設定 S…物体そのものをまわす R…座標を移動させる
実行例
-iの例
具体例として、オプション-iで使用したファイルをFig.1に示す。 これらの画像の詳細は以下の通り。
最小 0 最大 0.175 平均値 0.00302838 標準偏差 0.0129759 標準誤差 8.75794e-06
続いて出力結果がFig.2である。詳細は以下の通り。
最小 0 最大 0.0872652 平均値 0.00352428 標準偏差 0.00653417 標準誤差 9.13179e-06
-Iの例
オプション-Iで使用したファイルの詳細について。入力ファイルは以下の通り。
a000-2a.orgmrc YOYS 0 60 0 a004-2a.orgmrc YOYS 0 56 0 a008-2a.orgmrc YOYS 0 52 0 a012-2a.orgmrc YOYS 0 48 0 a016-2a.orgmrc YOYS 0 44 0 a020-2a.orgmrc YOYS 0 40 0 a024-2a.orgmrc YOYS 0 36 0 ・ ・ ・
入力画像の一部をFig.3に示す。 a000-2.orgmrcとa004-2.orgmrcは同じ物体で、傾斜角度が違う画像である。 それぞれの詳細は以下の通り。
a000-2.orgmrc: 最小 0 最大 37.8872 平均値 0.833407 標準偏差 4.20486 標準誤差 0.0420486
a004-2.orgmrc: 最小 0 最大 38.0379 平均値 0.833354 標準偏差 4.19112 標準誤差 0.0419112
-singleについて
今回の傾斜軸は入力ファイルの詳細から、y軸となる。
最小 0 最大 33.7425 平均値 0.92622 標準偏差 2.73412 標準誤差 0.00273412
-Doubleについて
オプション-WeightMode,-CounterThreshholdを併用する。
-CounterThreshholdを2に設定
WeightMode:1
![]() |
最小 最大 |
-24.3363 115.7 |
![]() |
最小 最大 |
-23.6896 117.242 |
![]() |
最小 最大 |
-23.6896 117.242 |
![]() |
最小 最大 |
-40.5762 174.198 |
![]() |
最小 最大 |
-41.7929 185.856 |
![]() |
最小 最大 |
-43.5065 190.759 |
オプション -CounterThresholdModeを併用
オプション-WeightMode=1,-CounterThreshhold=2で実行した。
![]() |
最小 最大 |
-24.3363 115.7 |
![]() |
最小 最大 |
-20.1632 113.527 |
-InterpolationModeについて
オプション-WeightMode=1,-CounterThreshhold=2での実行結果。
![]() |
最小 最大 |
-24.6593 117.022 |
![]() |
最小 最大 |
-24.3363 115.7 |
![]() |
最小 最大 |
-26.0299 118.253 |
![]() |
最小 最大 |
-40640.8 209412 |
-SIRTについて
SIRTの実行結果。
オプション-max,-rmsをデフォルト値で、オプション-WeightMode=1,-CounterThreshhold=2とした。
![]() |
最小 最大 |
-725.47 2563.64 |
![]() |
最小 最大 |
-234.062 575.77 |
-mについて
![]() |
最小 最大 |
0 30.514 |
![]() |
最小 最大 |
-54.8893 125.857 |