「電子線トモグラフィー」の版間の差分

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 傾斜画像では、視野全体がアンダーフォーカスとなるように、通常の電子顕微鏡撮影よりも大きなデフォカース値をとる場合が多いです。その場合、LaB6などの電子銃では第一トーンリングより外側の情報がほとんど無いために、CTF補正等は必要ありませんが、電界放出銃を利用した場合には、場合によっては間違った情報を与える場合があるので注意が必要です。
 
 傾斜画像では、視野全体がアンダーフォーカスとなるように、通常の電子顕微鏡撮影よりも大きなデフォカース値をとる場合が多いです。その場合、LaB6などの電子銃では第一トーンリングより外側の情報がほとんど無いために、CTF補正等は必要ありませんが、電界放出銃を利用した場合には、場合によっては間違った情報を与える場合があるので注意が必要です。
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 傾斜画像の中心付近の画像の相関から、それぞれの傾斜画像の大まかな位置を合わせます。
 
 傾斜画像の中心付近の画像の相関から、それぞれの傾斜画像の大まかな位置を合わせます。
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[[mrcImageMake2DArrayImage]](N=12)で表示<br></p>
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2014年4月18日 (金) 07:01時点における版

電子線トモグラフィーとは、電子顕微鏡を用いた3次元再構成法の一つで、同一視野を様々な方向からの投影された電子顕微鏡像をコンピュータの中で三次元像に再構成し、コンピュータを使って断層像(トモグラム)を作成する手法です。

 下記にその手順を順に述べていきます。

連続傾斜像の撮影

 同一視野で撮影すると試料を特定の軸に対して一定間隔で回転した画像になります。


Input-Tomogram.png

1軸回転

Input1-Tomogram.png

2軸回転


画像の補正

 傾斜画像では、視野全体がアンダーフォーカスとなるように、通常の電子顕微鏡撮影よりも大きなデフォカース値をとる場合が多いです。その場合、LaB6などの電子銃では第一トーンリングより外側の情報がほとんど無いために、CTF補正等は必要ありませんが、電界放出銃を利用した場合には、場合によっては間違った情報を与える場合があるので注意が必要です。

ラフ・アラインメント

 傾斜画像の中心付近の画像の相関から、それぞれの傾斜画像の大まかな位置を合わせます。

入力ファイル

1WDC-shift1-2dSet.png
mrcImageMake2DArrayImage(N=12)で表示


前処理(窓関数)

 窓関数を掛けて画像端のノイズを除去します。


今回は横80%、縦90%の窓関数を掛けます。
コマンド(1枚目の場合): mrcImageWindowing -i Set1000.roi -o Set1000.mask -W 0.2 0.2 0.1 0.1


こちらのMakefileを使用すると全てのroiファイルについて処理を行います。
コマンド
make Windowing


出力ファイル(全ファイル)

1WDC-win-2dSet.png
mrcImageMake2DArrayImage(N=12)で表示


位置合わせ

mrcImageAutoRotationCorrelationを使用した場合

ファイン・アラインメント

 傾斜画像の軸の位置、角度を出来る限り一致させます。

3次元再構成

 2次元画像のセットから3次元画像を再構成します。

電子線トモグラフィー画像のもつ問題点

 全方位からの投影像を得られないために、ミッシングエリアとよばれる情報がない領域があります。そのため、方向依存でのボケを生じます。

トモグラフに使われる画像処理

平滑化

セグメンテーション

トモグラム画像の解釈 ==

 また、多様な構造を含むため、3次元画像から興味あるセグメントを切り出すなどの作業が必要です。そのための支援ソフトウェアが必要です。

== サブトモグラムの平均化==