mrcImageAverage
mrcImageAverageとは複数の画像から平均画像を生成するEosのコマンドである。単粒子解析のように大量の粒子画像を扱う場合、平均画像の取得は有効である。画像を平均化するとノイズが低減する。これにより、角度決定の精度が向上し、3次元再構成したときの分解能向上が期待される。詳細は画像の平均化を参照のこと。
また、3次元画像等で全ての投影方向が手に入っていない画像同士を平均化しようとする場合には、ミッシングエリア等の情報を使って平均化することが有効である。そのために、mrc2Dto3Dで求められるDoubleCounterのファイルなどの画像の再構成に用いられた際に得られる情報を重み(-wにより指定)として利用して再構成することは有効である。DoubleCounterで指定されたファイルは、投影画像のファイル数も反映したものであるため、そのまま平均することができる。
平均画像の平均化を単純に行う場合には、mrcImageNullImageCreateを使って、全ての点の値を枚数にしたファイルを作り、重みファイルとすることができます。
目次
オプション一覧
オプション | 必須項目/選択項目 | 説明 | デフォルト |
---|---|---|---|
-i | 必須 | 入力ファイル設定(ファイル名のリスト) | NULL |
-o | 必須 | 出力ファイル設定(ファイル名): 入力ファイルのフォーマット | NULL |
-w | 選択 | 重みファイル設定(ファイル名のリスト):例:mrc2Dto3DによるDoubleCounterファイル | NULL |
-oW | 選択 | 重みファイルの出力設定(ファイル名) | NULL |
-h | 選択 | ヘルプを表示 |
実行例
2次元画像の平均化
入力ファイルの内容
1vom-rot0.mrc 1vom-rot1.mrc 1vom-rot2.mrc 1vom-rot3.mrc
1vom-rot0.mrcの詳細
![]() |
最小 最大 |
0 73.1421 |
1vom-rot1.mrcの詳細
![]() |
最小 最大 |
0 77.0909 |
1vom-rot2.mrcの詳細
![]() |
最小 最大 |
0 83.9283 |
1vom-rot3.mrcの詳細
![]() |
最小 最大 |
0 87.0306 |
実行結果
![]() |
最小 最大 |
0 70.8404 |
3次元画像の平均化
入力ファイルの内容
1WDC-Tom-1.3d 1WDC-Tom-2.3d
最小 最大 |
-1.0037 (36, 18, 37) 1.99054 (33, 40, 32) |
最小 最大 |
-1.085 (36, 18, 37) 2.01411 (37, 34, 35) |
1WDC-Tom-1.3dcounter 1WDC-Tom-2.3dcounter
オプション必須項目のみの場合
最小 最大 |
-1.04435 (36, 18, 37) 1.74931 (33, 40, 32) |
オプション -w
このオプションで指定されるファイルは、実空間の重みでもフーリエ空間の重み(実部だけを使います)でも利用できます。mrc2Dto3DのDoubleCounterファイルは、フーリエ空間で定義される重みです。実空間の重みは一様でもよいし、ある特定の領域にのみ値をもつような設定でも問題ありません。
-w (重み付き)を使用して実行
最小 最大 |
-1.08915 (36, 18, 37) 1.90308 (33, 40, 32) |