私達が研究に利用している最も中心的な存在は、「電子顕微鏡」です。

電子顕微鏡は、小学校・中学校・高等学校の授業で用いられる光学顕微鏡とは異なります。光学顕微鏡は光でモノを見るのに対して、電子顕微鏡では電子線を用いてモノを観察します。

さて、電子顕微鏡は光学顕微鏡とはどのような違いがあるのでしょうか。大きな特徴としてあげられるのが、倍率の高さです。一般的な光学顕微鏡が約1,000倍が実用倍率であるのに対して、電子顕微鏡の最大倍率は約1,000,000倍(100万倍)にも及びます。それだけ、小さなモノを観察することができます。

私達の研究室では、この電子顕微鏡を用いて、われわれ人間を含む生物を構成する主たる成分である、タンパク質の機能解明を目指しています。

さて、電子顕微鏡にはどのようなものがあるのでしょうか。私達の研究室で利用している電子顕微鏡の一部をご紹介しましょう。

HITACHI EF-2000

この、日立製EF-2000は、1990年代後半に、我々の目的である、氷包枚されたタンパク質をよりよく観察することを目的として、画質の向上を目指して開発された透過型電子顕微鏡です。このEF-2000型の電子顕微鏡を保有している大学は世界でも、大阪大学とここ九州工業大学だけの二箇所なのです。

加速電圧 200 keV
電子銃 冷陰極電界放出型電子銃(Cold Field Emission Gun)
撮影方式 2048 x 2048 CCD カメラ (TVIPS)
トモグラフィー 不可
備考 ガンマ型エナジーフィルタ搭載

FEI Tecnai G2 Spirit

この電子顕微鏡は、オランダのメーカ(現在は本社アメリカ,開発オランダ)であるFEI社が開発した汎用の透過型電子顕微鏡です。像質そのものはEF-2000には劣りますが、優秀なソフトウェアやステージを搭載しています。あらゆることをこなせるオールマイティーな存在です。

加速電圧 120 keV
電子銃 LaB6 熱電子放出型電子銃
撮影方式 2048 x 2048 CCD カメラ(Eagle)
トモグラフィー

JEOL JEM-2100

JEOLはもともと電子顕微鏡を開発するために作られた会社で、日本名は日本電子と呼ばれています。この、JEM-2100は200kVの加速電圧を誇り、傾斜シリーズの撮影も可能です。

加速電圧 200 keV
電子銃 LaB6 熱電子放出型電子銃
撮影方式 1024 x 1024 CCD カメラ(TVIPS製)
トモグラフィー

HITACHI SU-1510(走査型電子顕微鏡)

透過型電子顕微鏡が薄い試料を観察するのに対して、走査型電子顕微鏡は試料をそのまま観ることが出来ます。

加速電圧 3-30 keV
電子銃 LaB6 熱電子放出型電子銃
撮影方式 走査型
傾斜 可能

電子顕微鏡の長所・短所

長所

ブラウジング効果

ブラウジング効果とは、図書館学等で用いられる用語です。通常の検索方法が、目的と成るものを如何に早く探し出すかということに主眼があるのに対して、目的を探し出す過程の中で目に入る様々な情報が知識として重要であるということを示している。

電子顕微鏡法は、目的とするタンパク質を観察すると同時に、直接像を観察できるが故に、その周辺構造も観察することができる。生命のアーキテクチャは、相互作用にこそ意味がある点では、周辺構造(環境)にこそ意味があると考える事もできる。

 

電子顕微鏡の詳細は、下記のEospediaに少しずつまとめています。

[wiki-embed url=’http://www.yasunaga-lab.bio.kyutech.ac.jp/EosJ/index.php/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1′ tabs no-edit no-contents ]

一般のWikipediaにもありますので、参考にされて下さい。

[wiki-embed url=’http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1′ tabs no-edit no-contents ]